クラドスポリウム・ヘルバルムはカビ吸入アレルギーの主な原因であり、クラドスポリウムに感作された人が胞子を吸い込むと症状を発症することがあります1,2。クラドスポリウムは季節性の屋外のカビと考えられており、世界中で主に植物、土壌、食品に見られますが、屋内表面でもコロニーを形成します3-5。実際、クラドスポリウムは、(ペニシリウムおよびアスペルギルスとともに)もっとも一般的な屋内空中浮遊菌類の上位3種類に入っています。また、このカビの屋内濃度は、屋外濃度の上昇にともなって上昇するようです6。
クラドスポリウムは比較的成長が遅く、緑褐色、黒褐色、褐色、黄褐色、灰色など、さまざまな色があります7。胞子は比較的乾燥しており、通常は午後に生成のピークを迎えるため、屋外での暴露症状が増加する可能性があります8。有病率に関しては研究によって大きく異なります。
クラドスポリウム種は世界中に豊富に存在しますが、主に生育するのは温帯気候地域です14。クラドスポリウムの場合、増殖に最適な温度は18~28℃(約64~82゚F)ですが、0℃(32゚F)未満でも増殖し、冷凍肉の表面でも生存できます9。 クラドスポリウムは主に植物、土壌、食品に見られますが、窓ガラスや加熱冷却システムの断熱材など、多くの屋内にある設備の表面にもコロニーを形成します3,5。これは、カビが胞子を介して拡散し、繁殖するためです10,15。これにより、屋外で発生した菌が、戸口、窓、換気口、冷暖房システムなどのさまざまな経路で住宅に侵入します16。
このカビははっきりと見える場合も、肉眼では確認できない場合もあります。多くの場合、バスルームや地下室、布、木材、壁紙、カーペット、ラグ、窓枠、窓格子、布張り家具、蛇口、カーテンなどの表面に見られます。クラドスポリウムは屋内にきわめて広く生育しています。一部の大気汚染調査によると、カナダでは調査対象のすべての住宅、米国では70%の住宅で、クラドスポリウムの胞子が発見されました9。
クラドスポリウムアレルギーを持つ人の中には、他の種類のカビに暴露したときに症状を発症する人もいます。これは交差反応と呼ばれ、身体の免疫システムが、異なる物質中のタンパク質や成分を構造的に類似しているか生物学的に関連していると判断し、反応を引き起こすときに発生します6。
※他に感作または交差反応を起こしうるアレルゲンは人により異なるため、自己判断せずに必ず医師の診断を受けることが必要です。
カビアレルギーの症状は軽度から重度までさまざまで、人によって異なります2。反応は、暴露後すぐに起こる場合もあれば、遅れて起こる場合もあります。症状は真夏から初秋にかけてもっともよく見られますが、カビは屋内と屋外の両方で増殖するため、アレルギー反応は年間を通じて発生する可能性があります10。
症状には通常、次のようなものが含まれます2,11。
カビ感作は、アレルギー性鼻炎(花粉症)などの上気道疾患や、アレルギー性ぜん息などの下気道疾患を発症する主要なリスク因子でもあります4,12。
カビ吸入アレルギーを持つぜん息患者さんの中には、酵母やカビを含むものを食べたり飲んだりするとアレルギー性じんましんを発症する人もいます13。カビはアレルギー反応を引き起こすだけでなく、毒性反応をともなう感染を引き起こす可能性があります3。
アレルギー症状の原因を知ることは、治療や対策への第一歩です。自己判断せず、きちんと医療機関を受診して医師による適切な診断を受ける必要がありますので、医師に相談するために症状を記録しておきましょう。症状の記録とともに、特異的IgE血液検査または皮膚プリックテストが役立ちます。アレルギーと診断された場合は、医師の指導に従ってください。
カビへの屋内暴露が原因でアナフィラキシーを発症したとしている信頼できる医学論文報告はありません17。しかし、真菌アレルゲンへの暴露および感作は、アレルギー性鼻炎やぜん息などのアレルギー性疾患の発症と悪化を促進する可能性があります6。